クレジット
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■はじめに
クレジットというとクレジットカードを思い浮かべる人が多いが、単にクレジットという場合は日本では消費者信用(Consumer Credit)のことを言う。Creditには信用という意味があり、銀行のように不動産などを担保として提供しなくても、その人の信用だけでお金を貸付したり、立替払いをしたりすることを消費者信用と呼んでいるのだ。クレジットカードではお金を借りることができるキャッシング機能と買い物ができるショッピング機能があるが、どちらも無担保で利用することができる。広い意味では個人商店などが得意客を信用してツケで販売する信用貸しもクレジットの一種だ。
クレジットが現在のように普及する以前は一般大衆が高額商品を購入することは難しかった。百貨店や一部の商店が掛売り(信用貸し)をする形で販売したり、一部の企業が社員に対して特定の店舗での買い物を補助する形で立替払いしたりといったことが一般的だったのだ。しかし、その立替を専門に行う業者が登場したことで日本での消費者信用が発展することになり、それが消費を拡大して日本の経済成長を助けたと言っても過言ではない。
消費者信用の業者は大きく分けて販売信用を行うクレジット会社(信販会社)と消費者金融会社に分けられる。消費者金融会社はお金の貸付が専門で、信販会社はクレジットカードの発行やショッピングクレジットの取り扱いに加えて消費者金融も行う総合的な業者だ。クレジットカードの発行を専門に行うクレジットカード会社もこの中に含まれる。
ここではクレジットを大きく販売信用と消費者金融とに分け、販売信用はさらに細分化しクレジットカードとショッピングクレジットに分類して解説する。
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■販売信用
代表的なクレジットの形態として販売信用がある。高額な商品を購入するときに顧客の代わりに商品代金を立て替えて販売店に支払い、顧客からは分割払いなどで後日支払を受ける形態だ。これは販売店、顧客、クレジット会社の三者がそれぞれ契約するので三者間契約と呼ばれている。これに対して販売店が直接分割払いで販売する場合は二者間契約ということになる。販売店が直接分割払いをする場合は、代金を回収できないリスクが伴うのでこの形態はあまり一般的ではない。
販売信用としてのクレジットの特長は立替払いにある。クレジット会社が販売店(加盟店)に立替払いをするときに加盟店手数料を差し引く。さらにクレジット会員には分割払いの手数料を上乗せして請求する。クレジット加盟店は手数料を支払っても売掛金を回収する手間や人件費がかからず、販売代金が回収できずに貸し倒れとなるリスクを回避できるメリットがある。加盟店手数料はそのリスクを回避するための必要経費と考えることができるだろう。
クレジット会員のメリットは現金を準備しなくても買い物ができ、その場で商品を持ち帰ることができる。さらに分割で支払うことにより高額な商品も購入できる。こうした分割で支払うことができるメリットのことを期限の利益と呼んでいる。しかし、クレジットは誰でも利用出来るわけではない。
クレジット会社は立替払いをするということはリスクを負うことになるので、その代償として加盟店と会員に手数料を請求することができるが、貸し倒れが多くなれば手数料が高くなるか、クレジット会社の利益がなくなるかのどちらかとなる。手数料が高くなりすぎると加盟店もクレジット会員も利用しなくなるので、適正な範囲に留める必要がある。そのためクレジットを利用する場合はクレジット会社の審査を受けて、支払能力があると判断された場合のみ利用できるしくみとなっている。
販売信用を規制する法律は割賦販売法と呼ばれ、経済産業省の管轄下にある。割賦販売法は改正され2010年12月から本格的に施行される。改正の趣旨にはクレジットを悪用した商法を取り締まり、消費者を保護するという目的がある。さらには加盟店に対するクレジット会社の管理義務の強化やクレジットやクレジットカード審査の規制も含まれる。
割賦販売を取り扱う業者は「割賦購入あっせん業者」と呼ばれているが、一度登録して認可されると更新する義務はない。役員や支店などに変更があるときに届け出れば良いので、貸金業法による貸金業者の登録に比べるとそれほど厳しくはない。これはクレジット会社を立ち上げるためには資金力がなければいけないので、貸金業者のように手軽に登録するということがないからだ。大きな資金が必要なクレジット会社を設立して荒稼ぎはできないのでクレジット会社に悪徳業者は基本的には存在しない。むしろクレジットを悪用するのは加盟店側ということが多い。そのため加盟店に対する管理強化が割賦販売法の改正に盛り込まれているのだ。
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■クレジットカード
クレジットカードは現在最も普及している販売信用の形態だ。クレジットカードは申し込みをしたときに審査を受けて承認されると、その後は利用限度額の範囲内で何度も繰り返し利用できる。後述のショッピングクレジットに比べると使いやすいため現在のように普及したのだ。利用するたびに契約書を作成する必要がなく、サイン一つでショッピングが出来るスマートさも普及の原因の一つだろう。
クレジットカードが普及した理由はそれだけではなくサービスの豊富さにある。基本的なショッピング機能の他に、ポイントサービスや、付帯保険、海外旅行向けサービスなどのサービスがあり、カード年会費だけで豊富なサービスを受けることが出来るという利便性が人気となっている。
現金払いと比較するとそのメリットがよくわかる。現金払いでは購入した商品が盗難にあっても何の補償もないが、ショッピング保険付きのクレジットカードでは一定期間は損害が補償される。また現金が盗難にあうとほとんど戻ってこないがカードの場合は盗難保険が適用になり悪用されても被害はない。その他にも ATMで引き出す手間や高額商品を購入するときの清算にかかる時間なども節約できるといったメリットもある。
《クレジットカードのしくみ》
クレジットカードのしくみは典型的な三者間契約だ。三者はクレジットカード会社、加盟店、会員のことで、会員と加盟店は単なる売買契約で現金決済の時と変わりはない。クレジットカード会社と加盟店は加盟店契約を結んで立替払い契約を行う。会員とクレジットカード会社は会員制度への入会という形式でクレジットカード契約を行う。会員と加盟店の売買契約は現金払いと同じだが、いったんキャンセル等のイレギュラーが発生すると、クレジットカード会社との関係が絡んでくるので処理が複雑になる。
クレジットカード利用の流れはまずカード会員が加盟店で商品を購入するところから始まる。加盟店はそのクレジットカードが利用できるかどうかを端末機などで確認する。これがオーソリゼーションと呼ばれている処理で、クレジットカード会社が承認をして初めて売買が成立する。カード決済の処理が終わると加盟店は伝票やデータをカード会社に送付して立替払いを要求する。
加盟店支払が終了するとクレジットカード会社はデータを元にカード会員への請求を行うというのが一連の流れで、繰り返し利用できるクレジットカードはこの流れを繰り返すことになる。支払遅延などで強制的に解約されるか、カード会員が解約処理をしない限り利用枠の範囲内でショッピングやキャッシングができる。
キャッシングのしくみはショッピングに比べると単純だ。主にATMを利用して借り入れをして返済するだけで中間には何も存在しない、直接クレジットカード会社からお金を借りるという二者間の契約になる。金利設定はショッピング手数料に比べて高いが、少額を短期に利用するという基本を守っていれば金利負担はむしろATMの時間外手数料よりも少ないケースもある。
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■ショッピングクレジット
ショッピングクレジットという言葉は旧日本信販(現三菱UFJニコス)が初めて使ったと言われている。それまでは月賦という言葉が主流だったのだ。分割して毎月支払うので月賦と言っていたが借金のイメージが強く、利用するのには抵抗を感じる人が多かった。それをショッピングクレジットというスマートな言葉に置き換えたことで抵抗感を減らして普及に貢献したと言えるだろう。
《ショッピングクレジットのしくみ》
ショッピングクレジットのしくみは基本的にはカードショッピングと同じだ。クレジット加盟店でショッピングクレジットを利用して支払う場合、契約書を作成しクレジット会社の審査を受けて承認されれば商品を持ち帰ることができる。後はクレジット会社がクレジット会員に代わって商品代金を加盟店に立替払いし、会員はクレジット会社の請求に基づいて支払をすることになる。
しかしショッピングクレジットの手数料のしくみはクレジットカードと若干違っている。クレジットカードでは加盟店手数料はほぼ一律で決められていて、必ず加盟店が負担することになる。しかしショッピングクレジットの場合は加盟店手数料も会員手数料も加盟店や業種によって大きく違っている。
利幅の少ない業種の加盟店では加盟店手数料をゼロにしてすべてクレジット会員の請求に上乗せする場合もある。逆に利幅の大きな加盟店ではすべて加盟店が手数料を負担して、利用を促進することもあるのだ。会員手数料ゼロの場合は期間や回数が限定されるが、通常時でも加盟店が手数料を多く負担しているケースも少なくない。
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■消費者金融
消費者金融は銀行以外の業者が個人に貸付するもので、貸金業者とも呼ばれている。消費者金融業者は貸金業法によって規制を受けているノンバンクで、融資を専業とする業者以外にもクレジット会社やクレジットカード会社なども貸金業者だ。これらの貸金業者は登録制度により県知事や財務局に届出をして審査を受けなければならない。登録が認可されると登録番号が発行され、広告などにはこの登録番号を表示する義務がある。
こうした登録を受けずに商売としてお金を貸付すると業法違反となって刑事罰を受けることになる。登録の期限は3年で期限切れ前に更新手続きを行うが、新規登録と同様の書類が必要だ。更新手続きを忘れて登録が失効すると無登録業者となってしまう。悪徳業者を見分けるためにはこの登録番号が正規のものかを確認するとすぐわかる。広告に登録番号を記載していない業者は確実に無登録業者であり、記載されていても登録番号が(1)になっている場合は注意が必要だ。
登録番号は○○県知事(1)12345号といった体系になっている。更新するたびに()内の数字は増えていくのだ。悪徳業者は摘発されると社名や代表者を変えて新登録をする。つまりいつまでも(1)だ。パチンコなどのギャンブル雑誌に掲載されている貸金業者の広告には(1)の登録番号が並んでいる。これらはすべて悪徳業者と考えて間違いない。
悪徳業者の判断は広告の宣伝文句だけでも判断できる。「ブラックでもOK」「即日融資」といった審査をせずに誰にでも貸付するような表現は貸金業法で禁止されている。こうした違法な広告を行うだけで営業停止になるので、まともな貸金業者であれば絶対に使わない言葉なのだ。
消費者金融はかつてサラリーマン金融(サラ金)と呼ばれていたが、業界のイメージアップのおかげで消費者金融という言葉が定着した。サラ金時代は多重債務者が増加して悪いイメージが定着していたからだが、イメージを変える前に業界全体の体質を変えるべきだったろう。貸金業法が改正されてからも一部上場の消費者金融業者が業法違反で営業停止になるといったことが何度もあったからだ。
しかし、消費者金融自体は貸金業法を順守している限りは消費者にとっては必要なものだ。銀行は担保がなければ個人には貸付を行わないので、急な出費ですぐにお金が必要なときには役に立たない。そういった場合には消費者金融が必要となる。金利が高いと言っても短期間でそれほど高額な利用でなければ金利負担は小さいのだ。
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(最終更新日:2010年12月5日)
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